感覚
自分の感覚と行動が一致しないことは、運動中によく起こっている。自分では頭を下げたつもり、しかし見た目にはあまり下がっていず、「もっと下げて!」と注意が来る。生活の中にも、こういうことはよくある。自分ではその障害物をまたいだつもり、しかし足が引っかかって転びそうになるような場合。私達は体操を通じて、いつも自分の感覚と行動を一致させる訓練をしている。
野生の動物の感覚はすばらしい。すばらしくない固体は、命を失うこととなる。自然は厳しいのだ。人間は、感覚と行動がずれていても平気でのうのうとしていられる希少な動物だろう。しかし、頭脳が発達した人間も、所詮動物であることには変わりがない。私達が最終的に一番幸せになれる方法は、自分の感覚と行動を最後まで一致させることができ、それにはもちろん、自分でコントロール可能ということでもあるのだが、最高司令部の脳が、人間としての正しい判断ができるよう訓練し続けることだと思う。
今日は、ある中学校に体操の指導に行く。心身ともに成長期の子供達には、この感覚と行動を一致させるシステムの重要性とその練習を実習してもらう。運動神経は、あるとかないとか言うものではなく、みんなあるのだから、それをいかに磨くかが一番大事なことだということをわかってもらいたい。将来、現実とゲームの違いすら感覚できなくなるような人間になられては困るから。