イノアブログ

カテゴリ:人生の分析
 昨日のNHK”プロフェッショナルの流儀”は、庭師の北山さんという人だった。京都の有名なお寺の庭なんかも手がけ、その道では有名らしい。顔は、くまさん、って感じでちょっと怖そうな、でもかわいらしい優しさも感じられる人だった。

弟子も数十人、何が大事かといえば、挨拶と掃除、日常の当たり前のことをきちんとやることだそうだ。それが無ければ、庭師としての修行は始まらない。たぶん、どの道を極めた人も、同じことを言うと思う。挨拶や掃除、自己を律した生活態度、これが何をやるにもまず大事。考えてみれば当たり前。人間がやることだ、人間としてのスタンスがしっかりしていなければ、道どころではない。

北山さんは弟子を育てるにあたって、忍耐を心がけている。1回言えば分かったり、出来たりする人もいるかもしれないが、5回言っても分からない人もいる。でも6回めに分かるかもしれない。10回言っても分からなければ、11回言う、20回言って分からなければ、21回言うのだそうだ。すごい。相手を認め、忍耐強く教育していくには、時間もかかるだろうし、教える方も大変だ。

しかし、そこにはやはり”愛”がある。北山さん自身も言っていた。庭を造るために、木を切らなければならないことも多い。しかし、その木を切ることが、理想の庭につながるなら、迷わず切る。それは、切捨てではなく、庭に対する、切られる木にも対する”愛”。「愛しかないでしょう、何事も」と、北山さん自身の口から、くまさん顔の強面から出てきた言葉には、本当に愛の深さ、仕事に対する信念の強さが表れていた。

こういう職人さんの人生観、人間として当たり前のことを当たり前にやることの大切さを、今の学校教育のなかで、子供達に教えてもらいたい。