イノアブログ

柔の道

 NHKで柔道の創始者、加納治五郎のことをやっていた。彼のインテリジェンスと「なにくそっ」の負けん気と、母から教え込まれた他の人の役に立つ人間とならなければならないという信念の総合が、柔道を生み出した。

柔道の真には、「相手と共に高め合う」という考えがあるそうだ。ただ強くなればよい、相手に勝てばよいというのではなく、人間の高貴なる精神を磨くことが第一に求められる。だから、「道」となる。

番組では、ヘイシングというロシア(?)の選手が、日本の選手に勝って優勝した時、飛び跳ねて優勝を祝おうと出てきそうになっている同僚を制している場面があった。相手と共に高め合う柔道は、負けた相手を尻目に、飛び跳ねて喜ぶのはふさわしくないからだ。

何十年か昔の光景なので、そのくらい日本の柔道が、海外の選手にもその精神と共に伝わっていたということだろう。

いま、日本においてもや、日本の誇るべき「道」の精神がどのくらい残っているだろうか?

先日、朝青龍の優勝ガッツポーズについて、横綱審議委員会でも賛否両論があったそうだが、ヘイシングの立ち振る舞いを見た時、その人間としての高貴なる精神に、本当の勇者、強者の姿を見た気がした。美しかった。

相手と共に高め合う、これは私たちの健康体操においても同じ。
「仲間と共に高め合う」だ。
競技の器械体操、新体操とは違う健康のための体操(一般体操)は、その発展のし方によっては、立派に「道」になりうるものだと思う。

ここ『太陽のまなびや』では、「道」としての健康体操を目指したい。